備忘録

日々の出来事やその日に仕入れた情報をお届けします


Sunday, March 21, 2004

flower
3月も半ばを過ぎ、すっかり春めいた陽射しがさしこむようになって、東京では桜の開花宣言もなされたというのに・・・、昨日の多摩地方はなんとまあ朝からぼた雪の降る真冬に逆戻りの天気に。我が家のベランダの花壇も、いよいよ春本番に突入というその時に、そんな天気の気まぐれが突如としてふりかかってきたものだから、朝から花々の避難にてんやわんやであった。

そんな最悪の天候のさなか、昨年からスイスのチューリッヒにある連邦工科大学の教授となったMIT時代のボス、Peter H. Seeberger教授が早朝の便で東京にやって来た。月曜から3日間の予定でシンポジウムなどに参加するための来日だとか。昨年の年末に来日した時には、2週間で東京から福岡までの各都市で8つもセミナーをこなすという強行日程ぶりだったが、今回は木曜日の早朝にはチューリッヒに向けて飛び立つ予定で、いくら若いとは言え(僕よりわずか4つ年上!)、やはりこのくらいの日程の方が良いとぼやくことしきりだった。

今回は格安チケットで来日したこともあって、土曜の夜にすっぽりと日程のすき間が出来てしまったとのことで、急遽僕が酒の飲み相手として呼び出されたというわけである。東京に戻ってから丸2年が経つけれど、これで2度目の再会となるPeterとは1年に1度会っている計算になり、これもなかなかの縁ということになる。今回は、初めて紹介することとなる嫁さんと連れ立っての食事となった。

宿泊地の池袋で午後5時の待ち合わせ。久々に会っての挨拶もそこそこに、早速Peterからお土産をいただいたのだが、その中身は・・・なんとまあスイスチョコレート。備忘録の長年の読者にはおなじみだけれども、僕がボストンに住んでいる時に、日本からお客さんが来るたびに携えてくるお土産が、決まってチョコレートだったことをにわかに思い出したりして、いやはや嬉しいのなんのって。

cat
食事は、和風居酒屋でしこたま日本食を堪能した後、ビールバーに場所を移して世界のビールを正味。気がつけばなんと再会の挨拶からとうに4時間が経っていた。その間、ああだこうだと世間話が延々と続いていたわけだが、ふと考えてみれば仕事にまつわる話をただの一言も喋っていないのは、果たして研究者として良かったのか悪かったのか。まあ、年の近い、気の置けない仲間であることだけは再認識されたのだが。

それにしても、アメリカのサンディエゴにも研究室を持つ多忙ぶりで、まさに世界中を飛び回って研究を続けている姿を見せる一方、スイスの自宅はおろか、故郷のドイツの御両親の家にまでも招待してくれる気さくな面が、このボスのなんとも言えない魅力なのである。少しでも近づけるよう精進して、早く対等の立場で酒を酌み交わしたいものだ。

ところで、「Tomioの顔を見てみたいから必ず写真を撮って来てくれ」と研究室のメンバーから頼まれたとのことで、写真をぱちぱちと撮られたのだけれど・・・、顔見知りのいないスイスの研究室の中で、僕はいったいどんな噂の人になっているのやら。




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