![]() 7月6日 |
午後8時からフリーのオーケストラコンサート「ボストンポップス」があると言うので、研究室から10分とかからない野外コンサート場「ハッチシェル」へと向かった。ボストンポップス・オーケストラは、ボストンシンフォニーオーケストラが夏の間シンフォニーホールを使わないので、その代わりにシンフォニーホールの1階のフロアの全席を取り払って丸テーブルと椅子を置き、軽食をとりながら音楽が聴けるイベントを行っている。そして毎年7月4日は、このハッチシェルと呼ばれるまさに貝が口を開けたような形をしたホールで、ボストンの独立記念日のメインイベントとして無料のコンサートを行っていて、それが終わったあとの午後10時半からの花火をここから眺めるのが通らしい。しかし、今年はどうしたことか7月3日から7月8日までの5日間にわたって無料コンサートがハッチシェルで開催され、しかもすべて異なった曲が演奏されるということだった。今年の4日には、シンフォニーオーケストラの小沢征爾さんがレッドソックスのユニフォールを着て特別出演し(25年目にして初めて)、ポップスのキース・ロックハートとの競演が話題を呼んでいた。 午後7時すぎには、ボストンに来てから初めてとなるサンダーストームを経験し、こりゃ今日のコンサートは中止だなと思ったのもつかのま、15分ほどで雨が止み予定通りコンサートは行われた。しかし会場に行くと、ものすごい雨だったのでところどころに水たまりが出来ていて、観客も水たまりを避けるように心なしかまばらに陣取っているようだった(ハッチシェルの前の芝生が観客席で、めいめいがビニールシートをひいて寝そべったり、さながらピクニック気分で集まっている)。ざっとあたりを見渡すと、真ん中のベストポジションと思われる場所に大きな水たまりが出来ていて、そこはまだ誰にも陣取られていなかった。そこで我がラボの化学班はさっそく水の吸い取り作業に取りかかり、ラボから大量に持ってきたゴミ袋をそこに敷き詰め、なんと15分前に来たにも関わらず前方ど真ん中のベストポジションに落ち着いてしまった。いやあ、たまには良いこともあるもんだ(サンダーストームのおかげ)。 肝心のコンサートの方は、40歳になったばかりのキース・ロックハート(日本にも何度か公演に行っている)が登場すると思いきや、似ても似つかない90歳になろうかというハリー・ディクソンの指揮だったので初めはがっかりだったが、これが意外やものすごく観客を引き込むのがたくみで、楽しい2時間を堪能した。途中、飛行機とパトカーの音が指揮者を無視して入ってくるのが、難点ではあったが。そして、最高に盛り上がったところで、舞台の上からアメリカ国旗がばたんと降りてくると、もうかなりな興奮状態で(僕ではなくてまわりが)、とてもクラシックのコンサートとは思えない雰囲気・・・。連日の演奏にも関わらず、アンコールを3曲やったのにもプロ魂を見る思いで感動。明日も来ようかと思わず思ってしまった。 |
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