備忘録

日々の出来事やその日に仕入れた情報をお届けします


Saturday, November 30, 2002

11月最後の日。明日からはいよいよ年の瀬の師走に突入です。それにしても年末の慌ただしさを先取りするかのような11月でした。ふと備忘録の日付を見れば、前回の更新は遠く記憶の彼方の1ヶ月も前のこと。少しは備忘録らしく、月が新しく変わる前に、この1ヶ月の出来事も書き留めておくことにします。

8日から14日の1週間は、約8ヶ月ぶりにボストンの地を再び踏みました。Glycobiologyという学会に参加し、口頭発表とポスター発表をするためでした。400人ほどの聴衆を前に、初めての英語でのプレゼンテーション。がちがちに緊張するかと思い気や、意外にも平常心を保ちつつ、スクリーンを見つめる人々の表情をうかがいながら言葉を継ぐことが出来ました。その後の反響は想像以上で、ポスター発表の時に足を止めてくれた人の多かったこと。人前で「目立つ」ことの威力を感じました。

運悪くこのアメリカ滞在中に、名だたるメジャーリーガーが大挙日本を訪れ、日本各地で「日米野球」を開催していました。最終日の17日の東京ドーム観戦を果たすべく、週末を前に15日には帰国するというスケジュールも・・・例年に増してスーパースターが顔をそろえた影響か、チケットを確保することが出来ずに観戦はかなわず。はあ、4年前には東京ドームでも空席が目立ったのになあ。

気を取り直して、17日には渋谷のBunkamuraに「エッシャー展」を見に行って来ました。その人出の多さと混雑ぶりに圧倒されましたが、それを補って余りある素晴らしさを堪能。エッシャーの初期から晩年までを年代を追って飾られた作品は、エッシャーの歳を重ねることによる充実ぶりと、より高見へと登り行く過程をまざまざと見せつけるまさに絶品の数々でした。ミュージアムを出てからもしばらく興奮さめやらぬ状況に、久々の感動を覚えました。

そんな感動に包まれた翌日、以前にもお知らせした「GlycoTOKYO2002」というシンポジウムが東大生産技術研究所で行われました。例によって方向音痴ぶりを発揮して、東大教養部でしばらく道に迷った揚げ句にようやく会場に到着。あまりの冷や汗ぶりに、昼食もとれずに本番に突入してしまいました。しかしまあ始まってしまえば何とかなるもので、45分の発表時間をゆうに超えて約1時間ほど喋り続けた後に、これまた質疑応答に15分ほどを要してしまったため、大幅なスケジュールオーバーを引き起こしてしまうことに。関係者の皆さま、どうもすみませんでした。しかしながら、このシンポジウムの収穫は、名前を聞いただけで震え上がってしまうような糖鎖研究の重鎮の面々と、夜遅くまで熱くディスカッションを交わすことが出来たこと。いつの日か、彼らに励まされるだけでなく、彼らをうならせるような仕事を発表してみたいと心に誓ったのでした。

そして昨日、怒濤の11月の締めくくりは、今度は東大先端科学技術研究センターに場所を移してのセミナーをしてきました。午後5時から約1時間半の時間を神経研のボスと二人で分けあって話すというもの。しかしまあ、セミナーでの発表はさておき、その建物と組織のすごいこと。システム生物医学を束ねる児玉龍彦教授の下で、総勢60人という態勢で研究を行っているさまは、まさに研究機関の最先端を見る思いがしました。その後のパーク・ハイアット東京41階での「ディナー」も、それはそれは豪華でしたが。

というわけで、ようやくほっと一息。アメリカでの仕事の話はすっかりはき出してしまったので、これからは今まさに進行している研究を何とか発表出来るようにしなければなりませんね。来月は・・・忘年会シーズン到来で、またまた忙しそうだけど。。



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